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2011年7月24日日曜日

勾玉から生まれた五人の男子

古事記・天安河での誓約

建速須佐之男命 --- 天照大御神の勾玉

スサノオノミコトは乱暴者なため、姉のオオミカミに反逆を疑われる。そこで、オオミカミとスサノオノミコトは心の潔白を調べる誓約を行う。

建速須佐之男命が、天照大御神が持っていた「八尺の勾玉の五百箇のみすまるの珠」を受け取ってそれを噛み砕き、吹き出した息の霧から以下の五柱の男神が生まれた。

  • 第一子:左の角髪の髪飾り…正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)
  • 第二子:右の角髪の髪飾り…天菩比命(アマノホヒノミコト)
  • 第三子:鬘の髪飾り…天津日子根命(アマツヒコネノミコト)
  • 第四子:左手の珠…活津日子根命(イクツヒコネノミコト)
  • 第五子:右手の珠…熊野久須毘命(クマヌクスビノミコト)


2011年7月23日土曜日

古事記の勾玉(部分抜粋)

勾玉作りを体験した時に、『古事記には勾玉・日本書紀には曲玉と表記されている』と聞いたので、記述されている部分を確認してみた。

以下は、古事記の中から勾玉について書かれている部分だけを抜粋した文章です。↓


古事記 上つ巻

二 天照らす大神と須佐の男の命

誓約

それですから天照らす大神が驚かれて、
「わたしの弟が天に上って来られるわけは立派な心で来るのではありますまい。わたしの国を奪おうと思っておられるのかもしれない」
と仰せられて、髪をお解きになり、左右に分けて耳のところに輪におまきになり、その左右の髪の輪にも、頭にいただかれる蔓にも、左右の御手にも、皆大きな勾玉のたくさんついている玉の緒をまき持たれて、背には矢が千本も入る靭を負われ、腹にも五百本入りの靭をつけ、また腕には威勢のよい音を立てる鞆をお帯びになり、弓を振り立てて力強く大庭をお踏みつけになり、泡雪のように大地を蹴散らかして勢いよく叫びの声をお挙げになって待ち問われるのには、
「どういうわけで上って来られたのか」
とお尋ねになりました。

次に須佐の男の命が天照らす大神の左の御髪にまいておいでになった勾玉のたくさんついている玉の緒をお請けになって、音もさらさらと天の真名井の水に滌いでかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現れた神は正勝吾勝勝速日天の忍穂耳の命、次に右の御髪の輪にまかれていた珠をお請けになってかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現われた神は活津日子根の命、次に右の御手にまいておいでになっていた珠をお請けになってかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現われた神は熊野久須日の命、合わせて五方の男神が御出現になりました。

天の岩戸

次に天の安の河の河上にある堅い巌を取って来、また天の金山の鉄を取って鍛冶屋の天津麻羅という人を尋ね求め、伊斯許理度売の命に命じて鏡を作らしめ、玉の祖の命に命じて大きな勾玉がたくさんついている玉の緒の珠を作らしめ、天の児屋の命と布刀玉の命とを呼んで天の香山の男鹿の肩骨をそっくり抜いて来て、天の香山の波々迦の木を取ってその鹿の肩胛骨を焼いて占わしめました。
次に天の香山の茂った賢木を根掘ぎにこいで、上の枝に大きな勾玉のたくさんの玉の緒を懸け、中の枝には大きな鏡を懸け、下の枝には楮だの麻の皮の晒したのなどをさげて、布刀玉の命がこれをささげ持ち、天の児屋の命が荘重な祝詞を唱え、天の手力男の神が岩戸の陰に隠れて立っており、天の宇受売の命が天の香山の日陰蔓を手襁に懸け、真拆の蔓を鬘として、天の香山の小竹の葉を束ねて手に持ち、天照らす大神のお隠れになった岩戸の前に桶をふせて踏み鳴らし神懸りして裳の紐を陰に垂らしましたので、天の世界が鳴りひびいて、たくさんの神が、いっしょに笑いました。

六 邇邇芸の命

天降

この時に先に天の石戸の前で天照らす大神をお迎えした大きな勾玉、鏡また草薙の剣、及び思金の神・手力男の神・天の石門別の神をお副えになって仰せになるには、
「この鏡こそはもっぱらわたしの魂として、わたしの前を祭るようにお祭り申し上げよ。次に思金の神はわたしの御子の治められる種々のことを取り扱ってお仕え申せ」
と仰せられました。



【まがたま】勾玉/曲玉
magatama


2011年7月21日木曜日

勾玉作り

古墳時代の宝物・勾玉を作りました。

まがたま【曲玉/勾玉】
コンマ形に湾曲した弥生・古墳時代の装飾用の玉。
丸い部分の貫通孔にひもを通して首飾りとした。
瑪瑙(めのう)・翡翠(ひすい)・水晶・琥珀(こはく)・ガラスなどで作った。
獣類の歯牙に孔(あな)をあけたものに起源をもつといわれ、縄文時代にも不整形のものがある。

「古事記」には勾玉、「日本書紀」には曲玉が用いられているが、一般には勾玉の字を使用している。

「古事記」・・・712年、奈良時代の歴史書
「日本書紀」・・・720年、奈良時代の歴史書

勾玉作りセット

ヒスイやメノウは硬い石なので、昔は、穴をあけるだけでも大変だったそうです。
1つの勾玉を作るのに掛かった時間は、半年から1年。 早くても3ヶ月。

『勾玉作り』で使う石は高麗石という柔らかい石なので、早く作れます。
目安の時間は1時間30分くらい。

滑石(ろう石)は柔らかくて加工しやすいけど、落とすと壊れるから気を付けて!
と言われました。

勾玉作りセット内容

 『勾玉作りセット』に入っているのは
  • 勾玉用高麗石(穴あき)
  • サンドペーパー粗目(#60)
  • サンドペーパー細目(#240)
  • 耐水ペーパー(#1000)
  • ひも
自分で用意する物は
■ 鉛筆 (石に形を描く、湾曲部分を削る時に使う)
■ マスク (削った粉を吸い込まないように)
■ ビニール袋 (粉が出るので、袋の中で削る為)

☆ 粉が服に付くかもしれないので、汚れても良い服装で作業する。

勾玉の作り方

勾玉の作り方
  1. 石に鉛筆で形を描く。
  2. サンドペーパー粗目(#60)を使って不要な部分を削る。
    粉が出るので、新聞紙を敷いてビニール袋の中に石を入れて、ビニール袋の中で削る。
    サンドペーパーがヨレヨレになるまで使う。
  3. サンドペーパー粗目(#60)を使って湾曲部分の凹みを作る。
    鉛筆の上にサンドペーパーを置き、石を擦り付けて削る。
  4. サンドペーパー粗目(#60)を使って凹みの角を削って丸みをつける。
  5. サンドペーパー粗目(#60)を使って石の中心が、こんもり丸くなるように削る。
    中心は削り過ぎないように軽い力で、石を回しながら、端の部分は力を入れて、ぐりぐりネジを回すように削る。
    ここまでの作業が約1時間。
    サンドペーパー粗目(#60)はボロボロ。
  6. サンドペーパー細目(#240)を使って、石表面の細かい傷を削って整える。
    (#240)では形は変わらない。
    整える作業が約10分。
  7. 耐水ペーパー(#1000)を使って磨く。
    ペーパーを水につけて、のの字を描くようにして石を磨いて光沢を出す。
    水につけながら磨く作業を繰り返して、約10分
  8. 紐を通せば完成。
★石に色を付けたい時には、蛍光ペンを塗って布で色を伸ばしながら石に塗りこむ。 オススメの色は水色ピンクらしい。

1時間30分サンドペーパーで削り続けて、手が疲れた。

昔の人は、長い時間をかけて硬い石を削って磨いて、
労力使ってるな~
根気が有るな~
凄いな~

・・・よく見ると曲がり方が足りない。
もっと削りたい。

完成形を目指したらキリが無いかも。

勾玉作り完成

初めての『勾玉作り』体験でした。
削り続けるのは少し大変だったけど、楽しかった。
また作ってみたいな。