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2011年7月23日土曜日

古事記の勾玉(部分抜粋)

勾玉作りを体験した時に、『古事記には勾玉・日本書紀には曲玉と表記されている』と聞いたので、記述されている部分を確認してみた。

以下は、古事記の中から勾玉について書かれている部分だけを抜粋した文章です。↓


古事記 上つ巻

二 天照らす大神と須佐の男の命

誓約

それですから天照らす大神が驚かれて、
「わたしの弟が天に上って来られるわけは立派な心で来るのではありますまい。わたしの国を奪おうと思っておられるのかもしれない」
と仰せられて、髪をお解きになり、左右に分けて耳のところに輪におまきになり、その左右の髪の輪にも、頭にいただかれる蔓にも、左右の御手にも、皆大きな勾玉のたくさんついている玉の緒をまき持たれて、背には矢が千本も入る靭を負われ、腹にも五百本入りの靭をつけ、また腕には威勢のよい音を立てる鞆をお帯びになり、弓を振り立てて力強く大庭をお踏みつけになり、泡雪のように大地を蹴散らかして勢いよく叫びの声をお挙げになって待ち問われるのには、
「どういうわけで上って来られたのか」
とお尋ねになりました。

次に須佐の男の命が天照らす大神の左の御髪にまいておいでになった勾玉のたくさんついている玉の緒をお請けになって、音もさらさらと天の真名井の水に滌いでかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現れた神は正勝吾勝勝速日天の忍穂耳の命、次に右の御髪の輪にまかれていた珠をお請けになってかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現われた神は活津日子根の命、次に右の御手にまいておいでになっていた珠をお請けになってかみにかんで吹きすてる息の霧の中から現われた神は熊野久須日の命、合わせて五方の男神が御出現になりました。

天の岩戸

次に天の安の河の河上にある堅い巌を取って来、また天の金山の鉄を取って鍛冶屋の天津麻羅という人を尋ね求め、伊斯許理度売の命に命じて鏡を作らしめ、玉の祖の命に命じて大きな勾玉がたくさんついている玉の緒の珠を作らしめ、天の児屋の命と布刀玉の命とを呼んで天の香山の男鹿の肩骨をそっくり抜いて来て、天の香山の波々迦の木を取ってその鹿の肩胛骨を焼いて占わしめました。
次に天の香山の茂った賢木を根掘ぎにこいで、上の枝に大きな勾玉のたくさんの玉の緒を懸け、中の枝には大きな鏡を懸け、下の枝には楮だの麻の皮の晒したのなどをさげて、布刀玉の命がこれをささげ持ち、天の児屋の命が荘重な祝詞を唱え、天の手力男の神が岩戸の陰に隠れて立っており、天の宇受売の命が天の香山の日陰蔓を手襁に懸け、真拆の蔓を鬘として、天の香山の小竹の葉を束ねて手に持ち、天照らす大神のお隠れになった岩戸の前に桶をふせて踏み鳴らし神懸りして裳の紐を陰に垂らしましたので、天の世界が鳴りひびいて、たくさんの神が、いっしょに笑いました。

六 邇邇芸の命

天降

この時に先に天の石戸の前で天照らす大神をお迎えした大きな勾玉、鏡また草薙の剣、及び思金の神・手力男の神・天の石門別の神をお副えになって仰せになるには、
「この鏡こそはもっぱらわたしの魂として、わたしの前を祭るようにお祭り申し上げよ。次に思金の神はわたしの御子の治められる種々のことを取り扱ってお仕え申せ」
と仰せられました。



【まがたま】勾玉/曲玉
magatama


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